2011-01-01から1年間の記事一覧

論理に対する倫理

僕は時々「頭にくる」状態になるが、その一つが、「不誠実な論理」に対する怒りに起因するものだ。 先日、原発推進、脱原発で、それぞれの代表的論客が議論しているのをラジオで聞いていた時のことだが、脱原発派の者が、「万一の原発の事故のコストを測ると…

段々哲学病にかかってきた

今、大学院入試のために勉強しなければならず、そのためには、ドイツ語の復習やら、倫理学の概論やら、英語の複雑な論文への慣れやらを鍛錬しなければならないのだが、なぜか、カントの純粋理性批判の概念について、頭の中ですっきりロジックをたてたくなっ…

ヘーゲル

T教授と相談して、修士課程での研究テーマとして「ヘーゲル国家論」を選んだ。あまり深く考えていなかったのだが、ほっとした。 と言うのは、自分が50年近く前に一知半解ながら、かなり一生懸命読み込んだ「エンチクロペディ」や「精神現象学」などの余韻を…

正義

キケロ、セネカなんて、名前しか覚えていないが、そんなに偉大な人だったなんて、というか、キリスト教が完全支配する前のローマがそんなに偉大で、普遍的な存在だったなんて、自分は無知だった。

研究テーマ

何を研究するために、大学院に行こうとしているのか? それを突きつけられただけでも、大学院に行く意義があるというもんだ。それは、やりたいだけではなく、やれると信じ得る範囲であり、しかも、社会的に有意味だと確信できるものでなければならない。あー…

偶像崇拝

ユダヤ教が禁じた偶像崇拝の中には、自然物や人間の制作物だけではなく国家、神殿、富、繁栄、平和、もちろん情欲などもある。つまり、現世に存在し、人間が安心や幸せを感じる状態や希望を託する対象のすべてが含まれる。崇拝というのは、それを神聖視し、…

人類が絶滅した後で

このまま行くと、それほど遠くない将来、人類は絶滅するかもしれない。地球温暖化が極限まで行けば、哺乳類も危ない。でも、何とか生命が残る可能性がある。人類がいなくなった後で、緑が繁茂し、昆虫の羽ばたく音が聞こえるようになったら、どんなに感動的…

キリスト教由来の思想の相対化

近現代をリードした思想は、ヨーロッパを地盤としている。 ギリシャ思想(プラトン、アリストテレス)とキリスト教は、ミックスして圧倒的な影響力を持ってヨーロッパ的な文明を形成し、さらにアメリカ、アジア、中近東、アフリカ・・・を席巻して、近現代の…

何のために大学院にいくのか

自分は、なぜ大学院入学を目指すのだろうか? 哲学的倫理を研究するためだ・・・が・・なぜ? よく分からないうちに、走り始めて見ると、それを目指すことの意味が見えそうな気がしてきた。 でも、そういうものらしい。意志を自覚するまえに、行動があり、そ…

大学院受験

修士課程を受験することにした。今日、大学で過去問を閲覧してきたが、レベル的には何とかなりそうだが、時間内に収まらない気がする。後、2か月半でどれだけできるかなあ?

戦争のもたらす高揚と悲惨

戦争、それは死を当然とする決意の結果だから、そこにある種の高揚感、平時ではありえない英雄的行為がある一方で、堪え切れない醜悪さと悲惨もある。それは人間らしさなのか。非人間的なことなのか。

少し戦争を研究してみよう

「ヨーロッパ史における戦争」「戦争の常識」「戦争倫理学」を読んで、やはりまたまた考えさせられた。戦争について、随分読んだり、考えたりしたつもりだったが・・・。ともあれ、戦争という角度から歴史と哲学を見ることで、思考がシャープになったのは事…

戦争

戦争を指導し、遂行する責任者は、どんな人なんだろうか? 本当にやむを得ない事情で、決意したのだとしても、本当に考え抜いてのことだろうか?

もう一つの世界精神史

ヘーゲル哲学史は、世界精神の発生、展開、その合理の洞察と記述である。それは、ギリシャに発し、ゲルマン的国家精神によって完結する西洋哲学史であり、東洋哲学は、哲学史における一時的な存在理由しか持たない。この枠組みは、強引であるが、そう簡単に…

理念

カントの「理念」について色々と批判があるのは知っているが、その批判はどうも迫力が無いように思う。理念は、確かに「あるべき姿」を描くものであるから、内的な必然性を欠き、単なる無力な「理想」の提唱に過ぎないという面がある。しかし、カントの「理…

アリストテレス

今更ながらだが、アリストテレスは、西洋哲学の母のように感じられる。広大で、豊かな哲学の土壌を提供したアリストテレス。僕は尊敬の念を新たにした。

国家統治と戦争

仮にだが、人間の住める土地が無限にあるとすれば、国家はあり得るのだろうか? 人間の争いがあるからこそ、その調停者としての国家がある。争いの結果敗れても、その国にとどまらなければならない。互いにそういう状態であれば、国家は必要であり、その成立…

戦争の原因

そもそも「戦争」には、何か本質的に共通の部分があり、その原因もまた共通する何かがあるのだろうか? それは「人類」が負っている宿命的な種としての特性なのだろうか? 戦争は、人間の意志を媒介にしない限り起きない。それは、国家機関を総動員し、国民…

何故「戦争と倫理」か?

自分が、修士課程の研究テーマに「戦争」を選ぶ理由を思いつくまま書いてみれば、 1.戦争は、古来人類にとって「不可避」のように見えるが、他方では「戦争」の反対としての「平和」を希求する声もまた止むことがない。人類が戦争を消滅させることができるか…

この歳で修士を目指すということ

大学院修士課程試験を受けることにした。今の力からすると、合格の確率は、30%くらいではなかろうか? 楽しみは、修士論文を書くことだ。 実は、自分は卒論すら書いてない。研究テーマは、戦争と倫理を考えているが、もっと論点を絞らないといけない。

明治の人々

明治維新の政治リーダーたちも若かったが、学者も若かった。 波多野精一「西洋哲学史要」の素晴らしさは、その学識の広さ、深さも勿論だが、それを自分のものとして、自分の言葉で展開していることだ。しかも、それは現代の哲学者達のチェックを経て、なお客…

戦争

戦争は、さまざまなレベルで生じるが、国家の行為としての戦争は、国家存続が国民一人一人の命よりも大切であるという事を前提としている。

死を賭すということ

死を賭すとは、何かある行為が、自分の生命以上の価値を持つという事の別の言い方である。それは、例えば、「子どもの命を守る」「多くの民衆の生命を守る」というように、他の生命の価値を自分の生命の価値より重く見るということもある。しかし、それが、…

戦争をテーマとするということ

何を研究テーマとするのか? それは、今、自分が、「それは倫理の領域である」と決めた以上、基本的に「何をなすべきか?」という問いを立て、それに答えることに他ならない。すなわち、この私が、戦争をテーマにしようということは、戦争について「何をなす…

イスラエル 理解できない

パレスティナが、ユネスコに加盟を認められたことを怒って、パレスティナへの「制裁」として、新たに植民を行なうと発表した。 まったく理解できない。 まず、イスラエルが怒って制裁すると言うなら、ユネスコ加盟を認めた国連や決議に賛成した多数の国に対…

ヘーゲルか 非ヘーゲルか

ヘーゲルの論理展開の強靭さは、つまるところ、世界が本質的に「合理」であることを前提にしている点にある。世界が根源的に偶然的存在である可能性は否定できないと思うが、その立場に立ってしまうと、いかなる科学もフィロソフィーも成立しない。他方、世…

日本的なもの

日本は素晴らしいということを自覚することは大切なんだが、ある素晴らしいものが、日本にしかない、とか、他国にはろくなものがない、とか、という余計な話がつくと、胡散臭くなってくる。いいもの、それは日本だろうと、どこだろうと、いいもんだ。日本よ…

ドイツ的なもの

トーマスマンの「ドイツ、ドイツ国民」は、ドイツ的なものを見事に表現している。特に、ヒトラーの出現に辿りついたドイツ的なものへの言及は見事だ。ヒトラーのドイツは、最良のものと最悪のものが闘って、後者が支配したが故に出現したのではなく、ドイツ…

予断、偏見、無知、勘違い、

人は、胸のうちに、密かな信念をもっている。それは、多くの場合、何の根拠もないものなのだが、自分が一度は尊敬したことのある者に吹き込まれてもので、しかも大したことではないのだが、それだけに無反省に放置され、心の中に巣くっている。それは普段、…

剣より強いペンを鍛えたい

ペンは剣より強し。 この言葉には感激したものなんだが、こうもペンの鋭さが感じられなくなってくると、情けない気分になる。剣と対決する気迫の後退のせいなのか? それとも、ペンは弱いのか? 行為に裏付けられたペンならどうなのか? それでも、我々が頼…