2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

過ぎ去ったもの、過ぎ去りつつあるもの

すでに過ぎ去ったものは、静的な感じがする。まるで古い写真のようだ。 動きがあっても、スナップショットのように、一場面に過ぎない。 過ぎ去りつつあるもの、それは、むしろ生き生きした現実が、一瞬後には消えていくであろうと感じる現在そのものである…

ニーチェ

カントを読んでつくづく良かったと思うのは、その結果、ほかの著作の読みが深くなったことだ。ニーチェ「悲劇の誕生」、フーコー・コレクションなどを読んで、そう思った。 悲劇の誕生は名著だ。実に面白い。ギリシャ精神とドイツ精神がぶつかっているようだ…

中国の失敗

中国で、ご自慢の高速列車が大事故を起こした。日本人の多くは「それ見たことか」と思っている。しかし、それどころではない。この事件は、恐ろしい推定を生じさせた。「一体中国の原発は、どうなっているのだろうか?」。 中国の原発で大事故が起きた場合に…

ヨーロッパ的理性とは何か

「ヨーロッパ的理性は、日本人の思い浮かべる理性とはまったく異なるもので、日本人が理解することのできない何かである」とは良く言われることだ。本当にそうなのか? 難しくてもできるとすれば、どうすればそれを理解できるのか? できないとすれば、それ…

勉強・・・新しい段階へ

T氏より、秋からはヘーゲル法哲学をやろうとのサジェスション。いよいよ、やる気がでる。「でもその前に、カントの「人倫の形而上学」を夏休み中にやっておいてください」「ヘーゲルは、カントが超易しいと感じるくらい難しいのでそのつもりで」その上「ロー…

管の脱原発表明への不思議な反応

管が、記者会見で「原発に依存しない社会を目指す」と表明したが、マスコミに現れる限りでは、大変な不評である。さまざまなニュアンスがあるが、大体整理すると次のようになる。 ①辞めていく総理が何を言っても無駄、延命のために過ぎない ②原発廃止の戦略…

アイディアを磨き、表現の場を設定する

自分が社会のためにできること、それは少しばかりの寄付金、少しばかりのボランティア、仕事、それだけではない。 そもそも、自分は、日本国民として政治参加するという、基本的な努力をしてこなかった。また、大学で学び、知的な職業についたのに、社会に向…

管総理の支持率低下

管政権の支持率低下が著しいこと、それは国民が「リセットを求めている事だ」と、NHKが伝えている。 管の失政は数えきれないほどある。松本復興相の任命辞任、玄海原発の再開容認とその否定、など等。 ただ、この間分かってきたことは、永田町と霞が関、そし…

言論の闘い

「政治哲学」といわれる領域の学問は、日本では大変遅れた領域だと思う。丸山真男などの「政治思想」研究はあるし、マルクスやマックスウエーバの研究もあるが、現実の政治に対して、市民一人一人のレベルの主体的な議論を呼び起こしたり、問いかけたりする…

NHKスペシャル「徹底討論、 どうする原発」

とても面白い番組だった。原発推進派にまったく説得力がなく、国民の多くは、脱原発の方向に大きく傾いたものと思われる。 何と言っても、福島原発の現実は余りに重く、原発推進派が、この重さをはねのける論拠を持っていない以上、脱原発の世論が深く広く浸…

死と希望

古来、人は不死にあこがれてきたが、その一方で「早く死にたい」とか、「楽になりたい」という希望を口にする者も多い。また「人は死すべきもの」であることを否定するものはいない。しかし、ある無限とある無限を比較して、どちらの無限が大であるかを比べ…

希望と未来

希望を失うことは、死よりも恐ろしいことである。希望は、未来に向かうものだから、未来の無いところに希望はない筈だ。だから、子供は希望のしるしであり、未来を担うものだと言われる。 しかし、そうなると、死はどうなる? 死を間近に控えている人間に希…

春学期の終了

T教授の倫理学演習、ドイツ語によるカント、来週で春学期が終わる。今日は、たった一人の授業だった。何とか、最後までやった。教授は、もっと僕の意欲に答えたいという感じだった。 カントもドイツ語も、ようやく分かりかけてきたところだ。 ドイツ語を学ぶ…

原発問題の提起するもの

原発容認(推進か)? 脱原発か? の対立は、次第にエスカレートせざるを得ない。 原発は、建設・稼動までに膨大な投資を必要とし、それを安全に維持するために膨大なコストを必要とする。従って、相当な規模を維持または拡大しなければならない。 廃炉して…

かのようにの哲学

森鴎外が、子爵五条秀麿の口を借りて言った「かのやうにの哲学」は、彼が心から信じた見地である。鴎外は、その元祖がカントだと言った。 絶対の存在しないこと、すべてが相対的なものであることを、彼は認めざるを得ない。しかし、絶対があるものとしておか…

T教授

私が、ドイツ語のカントを教わっているT教授は、「人間は、生まれつき、どんな人か決まっている。どう教えようと、それを変えることはできない。結果はおんなじだ」と言った。U氏も、「まさにその通りで、自分もそういう父親のもとで育った」と言った。私は…