戦争をテーマとするということ

何を研究テーマとするのか? それは、今、自分が、「それは倫理の領域である」と決めた以上、基本的に「何をなすべきか?」という問いを立て、それに答えることに他ならない。すなわち、この私が、戦争をテーマにしようということは、戦争について「何をなすべきか?」を自らに問い、それに答えることである。ウィトゲンシュタインは、自らもっとも過酷な戦地に身を置いた。彼は、倫理上の問いは、他人事ではないことを通説に理解していたからだ。戦争について、倫理上の問いを立てることは、たとえ戦地にいかなくても、非常に危険なことである。しかし、それを避けることはできない。