過ぎ去ったもの、過ぎ去りつつあるもの

すでに過ぎ去ったものは、静的な感じがする。まるで古い写真のようだ。
動きがあっても、スナップショットのように、一場面に過ぎない。
過ぎ去りつつあるもの、それは、むしろ生き生きした現実が、一瞬後には消えていくであろうと感じる現在そのものである。だからこそ、過ぎ去る様相における現実は、活き活きとし、愛されるべき存在として、人を魅了する。
過ぎ去らないで、いつまでもある現在は、単なる継続であり、その延長としての未来である。
過ぎ去ったものも我々を感動させることがあるが、それは固化した永遠としての過去である。過ぎ去りつつあるもの、それこそ本当に活きた美だ。