殺すなかれ

人はなぜ人を殺すのか? そうした問いに対する答えはあると思う。
しかし、人は、なぜ人殺しを正当化できるのだろうか? という問いへの解答は難しい。十戒にも「殺すなかれ」とある。キリスト教徒(に限らないが)がどれだけ人殺しをしてきたかを考えると驚くが、それ以上にそれを正当化するための精神的闘争のしつこさの方に驚かされる。もちろん、正当化の努力の必要もないほど簡単に人殺しをする連中も怖いが。しかし、人殺しをした兵士の精神的後遺症は酷いらしい。それほど、人殺しは人の精神を傷つける。だからこそ、執拗な正当化が必要だったんだろう。殺すな! 人間に殺人の資格はない。無資格者が殺せば、正常な精神ではいられない。