寂寥

時々、夜寝る前に、恐ろしい寂寥感、孤独感がやってくる。
これは老年のせいかとも思ったが、思い起こせば今に始まったことではない。こういう心の状態は、コントロールしようがないから困る。
まあ、起き上がって、何かやるに限るが、何をやるって言っても、本を読むくらいしかないからなあ。
ヒルティの名著「眠られぬ夜のために」は実にいい本だが、クリスチャンでない自分には、何か抵抗感がある。そう言えば、死への恐怖やら、なにやらで心が深く動揺した時、般若心経を詠むことがあるが、あれも信じてもいない宗教の叡智だからなあ。
でも、般若心経は、汎神論的な感じがするし、柳澤桂子氏が言っているようにサイエンスの眼でみても得心できる。
キリスト教は、人間を、いや人間のみを深く愛するが、仏教や汎神論的宗教は、存在するすべてのものを愛しているように思う。
存在のすべてを愛すれば、寂寥感は消えるのかも。