科学者、技術者の倫理

情けないことに、つい最近まで気がつかなかったことを一つ。

原発問題で、今回の福島原発事故まで、大量の優秀な「科学者」「技術者」が、原子力安全神話の作り手とし、あるいは擁護者として、大活躍したことは重要だ。
普通の人は、圧倒的な知識の格差により、対等の議論はできないのだから、そうした科学者、技術者に、「原発安全神話」を吹聴された場合に、それに対抗することはできないに決まっている。
だからこそ、科学者、技術者の良心、あるいは専門家の倫理というものが重要になる。医師のケース、法律家のケースは典型的だ。

しかし、
例えば、次のような場合、どうしたら科学者・技術者の良心を守ることができるのだろうか?
一定の傾向(たとえば、原発推進)に賛成の意見を出すもの、あるいは邪魔にならない者だけを、系統的に地位、経済等で支持し、そうでない者を遠ざけるようにしたら、必ず迎合する者が出てくる。そうした連中が、科学者の中で、権力を持ったらどうなる?

今、彼らの間に自己批判の声が上がっているというが、すでに、原発に依存した生活や経済が形成されてしまったおり、その結果、原発推進=破滅的事故のリスク、脱原発=経済の混乱、生活の破たんといういずれかを選ばなければならないほどの、深刻な事態にまで人類をひきづってきてしまった責任を、どう考えているのか?