悪のイメージにとらわれること

世の中には、とても信じられないことを言ったり、行動したりする奴がいる・・・ように感じる。
その時、「あいつはとんでもない奴だ」とか「金のために、何でもする奴だ」と、感じたりする。
悪い奴、許せない奴というのをとことん突き詰めて行くと、どういうことになるのか? そういう人間のリアルなイメージは、ハリウッド映画に限らず、大昔からある。
しかし、本当の人間は複雑だ。映画なんかに出てくるイメージは、一面に過ぎない。もちろん、現実は想像以上と言うケースもあるだろう。
しかし、悪い奴のイメージのコアは、誰でも心の奥にある。怖い映像を見て、怖く感じるのは、そのためだろう。
しかし、純粋化された悪のイメージは、現実を見る色眼鏡のように、普通の人間を、冷酷な、あるいはとことん悪意に満ちた、あるいは血だらけの不気味なイメージとして切り取る役割を果たす。
無知ゆえに、そのイメージを刷り込んでしまうのだ。
もちろん、他方では、人間がそんなに悪いことをする筈がないと思い込み、「本当はいい奴」のイメージで見る純真な人もいる。こちらの方がずっとまともだ。騙されて傷つくのを見ていられないが、そういうお人よしが、普通に生きられる社会にしたいと思わざるを得ない。
どっちがいいかは明らかだ。
前者のイメージにとらわれた者は危険極まりない。