自分が気に入らない

眠れない。情けない。自分が気に入らない。馬鹿。
言葉で表すと言い古された人間の弱さの種が自分の中にあり、それが騒ぎ出すと、中々おさまらない。分かっているのに止められない。人間が情の奴隷であることを思い知らされる。
カントは、本当に理性でこれをコントロールできると思ったのだろうか? さんざめく星影を見つめ、内なる道徳律に耳を傾けて、いやます尊敬の思いに心が満たされたのだろうか?
そうではあるまい。ただ、ひたすらそうありたいと、祈ったのだろう。
そして、それが決して成就しないことを知りつつ、そう願うことが、なによりも価値あるものだと、自分を慰めたのだ。
自分もまた、そう願うことにしよう。お休み。