放射線許容基準の変更は何を意味するか?

3.11以前、放射能に汚染された物の廃棄が許される基準は、100ベクレルだった。それが、汚染された土の除染の許容基準は、8,000ベクレルだという。
これは何を意味するのか? 今までの基準が厳しすぎたというのだろうか?
そもそも、それが「事故」をきっかけに、捨てようのない、膨大な汚染土砂等が何とか捨てられる分量という目安で変えられるというのは、どういうことだろうか? 
これは、日本のおかれている現実が、3.11以前と以後ではまったく違っていることを意味している。それは、多分、平和時と戦時の違いに近いと思う。
平和時では、到底許されない危険なこと、「市街地における発砲、爆弾、戦車の移動」なども、戦時では許される。放射能汚染もしかりだ。
しかし、戦時は何時か終わることを想定している。対放射能汚染の被害は、何十年続くか分からない。
さらに怖いのは、戦時と同様、情報が操作されることだ。原発事故被害は、10年後に初めて現象として現れる。しかも、がん患者の統計的な増加としてだ。原発事故の情報は、少しずつ恐ろしい真相を暴露しているが、まだまだ分からないことだらけだ。東電が国会に提出した、事故処理マニュアルの80%以上が黒塗りで、わけの分からない状態だった。知的財産がどうとか言っているようだが、戦時の情報統制を彷彿させる。