意外のタフガイ だが、その結果は?

管が、早期辞任を否定した結果、再び政界がグチャグチャになった。
鳩山が「騙された。ペテンだ」と言い、管は「直ぐに辞めるなんて言ってないよ、君の勘違いでしょ」ときた。
はっきりしている事は、永田町の騒動が、日本の政府と国会の権威と信用をこれ以上無いほど低下させたことだ。
管がどう言う男がは、まったく知るところではないが、次のような理解は当たらずと言えども遠からずではないか?
(状況)
 「管総理不信任を巡る自民、公明、小沢の動きには痛烈な世論の批判があったこと」他方では「管を引きおろし、解散⇒自民の長老復活、小沢派の復権⇒政権への接近の願望が抑え難いものになっていたこと」
(鳩山の甘い願望)
 そうした相矛盾した状態の中でこそ、鳩山は自分の存在価値を見出していた。つまり、不信任決議を否定しつつ、管をおろし、自民、公明、小沢派で大連合を形成する立役者になれるかも知れないと、甘い願望を持っていた。そんな玉でないのに。
(管は見透かしていた)
 管は、鳩山がそういう願望のもとに、約束を取り付けにきたが、最後まで言質を与えなかったに違いない。ただ、鳩山が、短い時間の中で、願望が適えられそうだという、勘違いをしていることも、察知していた筈だ。
管は、そもそも鳩山を軽視して馬鹿にしていたので、鳩山が自ら罠に落ちていくのを冷たい眼で見ていたのだろう。
(管は意外とタフで非情の男だった)
 管のこの間の対応を見ていると、意外と失敗していない。いや失敗しているのだが、それは無知と判断ミスによるもので、いわゆるパニックに陥って、自暴自棄的な対応をしていないという事だ。これだけ、アホだ、間抜けだと悪罵を投げかけられているのに、比較的低姿勢な発言に終始し、その癖決して妥協しない。これは、管が意外とタフで非情な男だったことを示している。
 (野党は、焦っている)
 管は馬鹿だし、経験も浅く、官僚とも仲が悪いから、一捻りで潰せると、自民、公明は思っていたに違いない。しかし、野党にとっても、状況は一向に良くなっていない。昨日の不信任決議の否決にも関らず、管が早期退陣しないことで、対決姿勢をさらに強め、追い詰めようと思っているが、管が退陣しないで頑張っていれば、野党は逆に「この大変な時に、足を引っ張っている場合か」と世論の批判を浴びることになる。
 このことも、野党は分っている。
 (しかし、全員がパーになる可能性も)
 しかし、このまま行くと、ドンずまりであることも明らかだ。
 このままでは、国民は国会や政府、野党も与党も全てを否定するようになる。
 政府が昨日マヒすれば、国民は大不況にあえぐことになるが、日本では国民の決起はおきにくい。とすれば、漂流の末、円が大暴落し、IMFの管理下に置かれる可能性もある。それは経済の論理のように見えて実は米国の意志かも知れない。
  自国民が自分で運命を切り拓くことができず、ペリー来航⇒欧米の圧力や、太平洋戦争の敗北⇒米国の支配のような、外圧による変化をもたらしかねない。その時は、管も自民、公明、小沢も何もない。すべてがパーだ。
 せっかく、大震災と福島原発事故という歴史的な犠牲を払って、立ち直るきっかけを掴めるかも知れないというのに、まだ足りないというのか?